<高校野球西東京大会:日大三16-0久留米西>◇14日◇3回戦

 西東京の候補筆頭に挙がる日大三が打線の威力を見せ、コールド発進した。5回までに長短13安打を放ち久留米西を16-0で撃破した。小倉全由監督(51)も「これだけ点を取ってくれる勝ち方はいいですね」と、安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 小倉監督を喜ばせたのは猛打ショーだけではない。大塚洋平中堅手(3年)の完全復調があった。この日は中堅手として先発メンバーに加わり、2打数2安打した。大塚も「出られただけでなく、安打も出てうれしかった」と満面の笑みをみせた。

 同選手は昨年5月の練習試合中に外野同士で激突、頭部を強打し、意識不明の重体に。19日間の入院生活を経て、奇跡的に回復していた。3カ月後には野球もできるようになったが、体が思うように動かない。それが夏の大会を目前にしたこの1週間で調子を取り戻した。「打てるぞ、というしっかりした気持ちで打席に立てました」。

 春の関東大会で左手首を痛めた岡翔太郎捕手(3年)も復帰していた。日大三は、本来の戦力が戻ったことを確認して、3年ぶりの甲子園どりにスタートした。