<高校野球南北海道大会:北海9-0駒大苫小牧>◇16日◇準々決勝

 北海が6連覇を目指す駒大苫小牧を止め、4強進出を果たした。2回裏に本塁打を含む6長短打で6点を奪い、7回裏には庄司智(3年)が3ラン。守ってはエース鍵谷陽平(3年)が被安打1の快投で、9-0の7回コールド勝ちにつなげた。北海は春の道大会も準々決勝で駒大苫小牧に5回コールド11-0で勝っており、難敵に2戦連続大勝で、9年ぶり夢舞台が見えてきた。駒大苫小牧は03年から続けていた夏の道内連勝が、38でついにストップした。

 この強さは本物だ。北海が、ついに駒大苫小牧を夏の王座から引きずり下ろした。6-0で迎えた7回裏1死一、三塁。外野フライでもコールド勝ちが決まる場面で、庄司の打球は左翼芝生席に弾んだ。V5王者の心臓の奥深くに突き刺さる、とどめの1発。うなだれる駒大苫小牧ナインをしり目に、北海ベンチは大騒ぎ。左翼側を埋め尽くしたファンも、強い北海に大声援を送った。

 勝利のキーマンは、やはり鍵谷だった。2回裏1死三塁、エースのバットから左中間三塁打が飛び出した。先制点。ところがこれだけでは止まらない。以後も3連続長短打で4点を加え先発岩瀬をKO。代わった大沼からも大下が本塁打を放ち、大量6点のビッグイニングとした。

 投げても鍵谷だ。強打の駒大苫小牧打線を最速143キロの速球とスライダーで、わずか1安打に抑え込んだ。過去、何度となく逆転で勝利を得てきたチームに、三塁すら踏ませない。鍵谷は「(6連覇を)阻止しようという意地があった。今、駒大に勝ち、駒大の分まで頑張らないと、という気持ち」と王道継承を宣言した。

 打線も鍵谷を助けた。2回にソロ本塁打を放った大下は、3歳上の兄純輝さんに続き北海に入学。純輝さんにもらった「全力主義」のキーホルダーを尻ポケットに忍ばせ、兄と同じ南北海道の準決勝まで勝ち進んだ。1回戦の4番から6番に下げられた庄司は「闘志メラメラでした」と反骨心をバネに、王者の息の根を止めた。

 9年ぶり34回目の甲子園まで、あと2勝。11年目を迎えた平川敦監督(37)は「今日は正直、ホントうれしい。でも次もこんな勝ち方ができるとは思わない。接戦をしっかり勝つよう、選手と話し合います」と、準決勝の北照戦を見据えた。【本郷昌幸】