<高校野球北神奈川大会:東海大相模11-2日大高>◇23日◇準々決勝 北神奈川では東海大相模の大田泰示遊撃手(3年)が3試合連発の64号を放ち、準決勝に進出した。

 東海大相模・大田の勢いが止まらない。この日も周囲の度肝を抜く1発が飛び出した。6点リードで迎えた6回2死二塁だった。相手エース湊哲郎(3年)の外寄りの直球を、バックスクリーン右横にたたき込んだ。推定飛距離135メートル。「打っちゃった」。今大会初めて笑顔が飛び出し、おどけて見せた。

 初回に1点を先制されても動じることはなかった。「気持ちが入っていたゲーム。自分の気持ちも高ぶっていた」。その裏、右に適時二塁打を放ち、自らのバットで同点とした。続く4番角晃多(3年)の本塁打を導く一打。そして6回に2ランを放った。神奈川大会の3試合連続は5年ぶり6人目、1大会4本塁打は最多タイとなった。

 高校通算はこれで64号、清原和博(オリックス)に並んだ。感想を聞かれると一呼吸置いて「すごいんだなあ。信じられないです」と話し喜びをかみしめた。門馬敬治監督(38)は「価値ある1本」と評価した。スタンドで見守った父幹裕さん(49)は「みんなが打ったのが一番うれしかったのだと思います」と息子の笑顔に目を細めた。

 主将でもある大田に引っ張られ14安打で11得点。硬さのとれなかった打線が勢いづいてきた。大田は「全然違うチームみたい。何かが変わるきっかけになった。次の試合に乗り込みやすくなった」。夏は31年ぶりとなる甲子園まであと2勝、大田のバットから目を離せない。