<高校野球西千葉大会:千葉経大付2-1沼南>◇26日◇決勝

 千葉経大付には苦しみながらつかんだ甲子園切符だった。決勝を含め6戦中3戦が1点差試合。この日の決勝もそうだった。松本吉啓監督(50)は「1度はあきらめました。でも、選手が自分たちの力で勝ち取りました」と声を弾ませた。

 負傷を押して出場した1番重谷祐弥遊撃手(3年)の活躍が光った。3回2死二塁で先制の右前適時打を放った。準決勝で右太ももの肉離れを起こした。それでも痛み止めを飲み、サポーターをつけ出場した。8回2死満塁の大ピンチでは強い打球に素早く反応、追撃を防いだ。痛みがひどくなり、臨時代走を送られる場面もあったが「(監督から)『お前は代えられない』と言われ、絶対行こうと思った」と強い気持ちで戦い抜いた。

 プロも注目するエース斎藤圭祐(3年)は、他校に研究されて「苦投」が続いた。それでも、この日の重谷はじめ、野手陣がもり立てた。決勝は6安打1失点で投げきった。松本監督は「斎藤以外の子がやるべきことをできるようになった」と成長に目を細めた。

 センバツ4強の中ではただ1校だけ夏の激戦に勝ち残った。目標は全国制覇。成長したナインが甲子園でも大暴れしそうだ。