<高校野球千葉大会>◇15日◇3回戦

 プロ注目左腕、千葉英和のエース小川竜也投手(3年)が、昨年の優勝校(西千葉)千葉経大付を6-1で撃破した。9回を8安打1失点、8三振。連続甲子園を3回戦で阻止した。小川は「うれしくてしょうがない。少しは自信を持てました」と白い歯を見せた。

 1失点の完投ながら決して楽な投球ではなかった。7回には1点を失い、なお2死満塁のピンチを背負っていた。「6回ぐらいから腕が振れなくなって…」。そんな不安の表情を見せたエースに、伊藤修次監督(41)から強烈なゲキが飛んでいた。「小川ビビるな」。この一言が効いて、強気の直球攻め。相手打者を二ゴロに仕留めていた。

 強敵との対戦に前夜は寝付けず、深夜3時にようやく床に就いたという。「焦っていた。試合が始まるまで集中できなかった」。その影響か、この日の最速は135キロ。それでもコントロールは安定していた。スライダーとフォークを混ぜて丁寧に投げ込んだ。

 「1回を無事に抑えられて大丈夫だと思った」と、次第に落ち着きを取り戻し9回を投げ抜いた。持ち前の力の投球だけでなく、この日は変化球をまじえ緩急をつかっての3回戦突破。注目エースが成長しながら目標の甲子園に近づこうとしている。