<全国高校野球選手権:遊学館11-0一関学院>◇8日◇1回戦

 遊学館(石川)の土倉将投手(2年)は一関学院(岩手)を3安打完封した。

 ナゴヤドームで阪神小嶋が中日相手に苦投しているころ、甲子園では遊学館の後輩土倉が好投を続けていた。5回でも被安打ゼロの経験などない右腕が、伸びのある真っすぐにスライダー、ツーシームを交えてノーヒッター達成に向けて着々。6回には8点の援護ももらった。気分よく7回のマウンドに向かおうとしたとき、山本雅弘監督(59)から「期待しとるぞ」の声がかかった。

 「先生の言葉がなければ気楽に行けたのに…」と後悔したが後の祭り。7回2死で一関学院4番の榎本に左前へ運ばれ、快挙はならず。そこから「走者が出てくれたらクイックで投げる練習が出来る。次の試合の準備が出来る」と気持ちを切り替えた。プラス思考で8奪三振3安打完封。山本監督は「いつもは変化球がどれか抜けて来るけど、全部よかった」と舌を巻き、捕手の山岸も「ストレートが来ていたし、変化球もよかった」と認めた快投で2回戦へ進出した。残念ながら先輩小嶋は4回3失点で2敗目を喫した。