MLBが今季、マイナーリーグで実験的にさまざまなルール変更を行うことになったが、監督の間でかんかんがくがくの議論になっているのがシフト制限ルールだ。

現在のMLBでは、フィールドの片側に野手を集中的に配備したり外野を4人体制にしたりなど、極端な守備シフトが当たり前になっているが、今季2Aのリーグでは、それらを制限するルールが導入される。内野には少なくとも4人の野手が必ず陣取らなければならず、片足たりとも外野の芝の部分にはみ出してはならない。シーズン後半戦からは、内野は二塁ベースを境に左右の各サイドに2人ずつ配備されなければならないという規制が導入される。

マイナーで試験的に導入するということは、近い将来にメジャーでも導入される可能性があるということ。それに対して反対の声を上げている監督は少なくない。

例えばレンジャーズのクリス・ウッドワード監督(44)がその1人。先日のオンライン会見でシフト制限について問われ、熱弁を奮っていた。「私にとってはいら立ちの募る規制だ。コーチ時代、私の仕事の大部分はゲームプランを練ることで、グラウンド上でいかに相手打者に安打を与えないかということだった。シフトと呼ばれているが、要するに打球が飛ぶ場所に野手を配備するということであり、大事な戦略のひとつ。それができないとなれば、フラストレーションを感じる。ただ得られた情報を利用しているだけのことなのに」と話し「例えばフォルタネビッチがスライダーを投げて、大谷がこっちに打つと分かっているのに、そこに野手を配備できないということになる」と、同地区ライバルであるエンゼルスの大谷の名を挙げて語気を強めていた。

一方でシフト制限に対して賛成派や静観派もいる。監督歴23年の大御所であるアストロズのダスティ・ベーカー監督(71)は「もし打撃力が本当にあるなら、シフトで安打を阻止されることなどあるはずがない。シフトを敷いた野手の前に打球を飛ばしてしまうのは、それに対応できない打者が悪い」と話していた。タイガースのA・J・ヒンチ監督(46)は「我々野球界は、試合をより良いものにするため新ルールを実験的に導入しているというのが私の受け止め。試すには実戦でやらなければ意味がないので、マイナーで試す。私はそれを支持する」という。

まさに賛否両論といった様相だが、これだけ監督が関心を示しているということは、シフト制限が試合に与える影響がそれだけ大きいということだろう。MLBはシフトが攻撃の妨げになりすぎていると考えており、この新ルールによってより多様なオフェンスが発生することを期待している。実際にどんな結果が出るのか、マイナーの実験的新ルール導入に注目だ。