早期の打者復帰を目指すエンゼルス大谷翔平投手(24)の周囲には、心強い味方が多くいる。そのうちの1人、チームメートのザック・コザート内野手(33)が、トミー・ジョン手術からの打者復帰へ太鼓判を押した。11年の8月中旬に利き腕ではない左肘を手術。約7カ月半後、翌年の開幕戦で復活した。「不運なことに僕は他にも手術をいろいろしたけど、(トミー・ジョン手術後が)最も簡単に復帰出来た。何も問題なかった」と振り返った。

右打者のコザートにとって左肘というのは、左打者で右肘を手術した大谷と重なる。コザートの言葉は希望を与える。「打撃面で、手術後から肘に影響が出たことはない」。術後約6カ月、キャンプ初日には通常の打撃練習を再開した。「ショーヘイ(大谷)より時期は少し早く手術したけど、春のキャンプでは何も問題なく出来た。オープン戦の1試合目から出たよ」とケロリ。打率こそ伸び悩むが、術後から7年以上が経過した今も、患部は全く気にならないという。

今キャンプの初日を終え、大谷は「コザート選手とも話しましたけど、問題なく出来ている」と経験談を求めたことも明かした。一方のコザートは、詳しい会話内容は明かさなかったが「『どう?』って彼に聞いて、『良いスイングが出来ている』と言っていたよ」とうれしそうに話した。

昨年は左肩を手術し、大谷と同じように今季シーズンで復帰を目指すベテラン内野手。大谷を「明確な目標を持って、強い意志を持っている人」と尊敬のまなざしもみせる。「手術後のリハビリで、少し後退をすることもあるかもしれない。ただ彼は、大丈夫だと思う。復帰を楽しみにしている」。同じ道を経験してきたからこそ理解し、発する言葉には重みがあった。【MLB担当=斎藤庸裕】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」)