メジャーリーグ監督の給料が注目されている。カブスの新監督に就任したクレイグ・カウンセル氏(53)が5年4000万ドル(約60億円)、1年平均800万ドル(約12億円)という30球団の最高額で契約したからだ。これは現在のトップ(23年はガーディアンズのフランコナ監督の450万ドル=約6億7500万円=が最高)というだけでなく、2000年代初頭にヤンキースを率いたジョー・トーリ監督の年俸750万ドル(約11億3000万円)を抜く、MLB史上最高額を更新した。

カブス新監督のカウンセル氏(AP)
カブス新監督のカウンセル氏(AP)

一方で、USAトゥデーのボブ・ナイチンゲール記者によれば、23年シーズンに100万ドル(約1億5000万円)以下の監督が6人、175万ドル(約2億6300万円)以下の監督が15人いたという。このため、他のスポーツ業界と比べて「メジャー監督の給料は安いのでは」という論争が米国内で起きた。

北米スポーツ界の指揮官で最高年俸は「ジ・アスレチック」によると、NFLペイトリオッツのビル・ベリチック・ヘッドコーチで年俸2000万ドル(約30億円)だ。NBAではピストンズのモンティ・ウィリアムズ・ヘッドコーチの1305万ドル(約19億6000万円)。野球より、他のスポーツの方が高い。アマチュアである大学スポーツにも負けている。アラバマ大フットボールのニック・セイバン・ヘッドコーチは1140万ドル(約17億1000万円)、ケンタッキー大バスケットボールのジョン・カリパリ・ヘッドコーチで850万ドル(約12億8000万円)と、カウンセル監督よりも高い。

NFLペイトリオッツのベリチックHC(ロイター)
NFLペイトリオッツのベリチックHC(ロイター)

MLBは、選手の年俸は高い。今季の最高はシャーザー(レンジャーズ)バーランダー(アストロズ)の4333万3333ドル(約65億円)だった。エンゼルスからFAとなった大谷翔平投手が来季、これを抜く可能性もある。それに比べると、監督の年俸は総じて安いといえる。また、フットボールやバスケットボールは、監督(ヘッドコーチ)の戦術が大きく勝敗に影響するのに比べ、野球は選手の能力に依拠する割合が大きい、とも考えられているようだ。

ちなみに、今季の日本のプロ野球(NPB)は、日刊スポーツの推定だが、巨人原監督の2億円が最高。1億円が、オリックス中嶋監督、楽天石井監督、日本ハム新庄監督、ヤクルト高津監督、阪神岡田監督、中日立浪監督と6人いた。選手はオリックス山本由伸投手とソフトバンク・オスナ投手の6億5000万円が最高なので、MLBほど監督と選手の格差はない。

大リーグは近年、GMや編成本部長といったフロント主導のチームづくりが盛んだ。カウンセル監督も、ブルワーズ時代はスターンズ編成本部長とのセットで有名だった。同本部長がメッツに移籍したため、カウンセル監督もメッツ監督の就任が有力視されていた。たもとを分かった今回、史上最高年俸となった同監督が、どれだけの結果を残せるのか楽しみだ。【斎藤直樹】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「斎藤直樹のメジャーよもやま話」)

今年日本一の阪神岡田監督は推定年俸1億円
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