ドジャースが新戦力のスピードとパワー、層の厚い投手力をかみ合わせ、88年以来32年ぶり、7度目のワールドシリーズ制覇を果たした。

1点を追う6回1死二、三塁、相手の暴投で同点。1死三塁となり、2番シーガーが一ゴロを放った。三塁走者のベッツが絶好のスタートを切り、逆転のホームを踏んだ。レッドソックスから今春キャンプ直前にトレード移籍した新戦力が、スピードを生かして流れを一気に引き寄せた。

投手力の高さも光った。先発の右腕ゴンソリンが1回にソロ本塁打を浴びたが、2回2死から救援陣を次々と投入。今季リーグトップの防御率2・72で安定感抜群のリリーフ陣がつなぎ、失点を防いで6回の逆転へとつなげた。

7回2死からは今ポストシーズンで4勝0敗、防御率1・31だった左腕ウリアスを投入。レイズの反撃の芽をつむと、8回にベッツが貴重なソロ本塁打を放ち、試合を決定づけた。

16年からド軍を率いるロバーツ監督は5年間でワールドシリーズに3度出場。過去2度は涙をのんだが、三度目の正直で悲願のワールドシリーズ制覇を成し遂げた。試合終了と同時に、コーチ陣やスタッフと抱き合い、信頼し続けた選手たちと喜びを分かち合った。

優勝セレモニーでは「今年は我々の年だ!」と何度も繰り返し、エース左腕のカーショーや守護神ジャンセン、試合途中で新型コロナウイルスの陽性反応を示したターナーら選手の名前を挙げ、「ありがとう」と感謝。チームスタッフを含めた全員に向けて「みんな、おめでとう!」とねぎらい、スピーチを締めた。

▽ド軍カーショー投手(WS2戦2勝)「ポストシーズンに出場するたび敗れてきた。うれしそうなファンの姿を見ると、彼らも長い間待ち続けてきたことを実感する。特別な感情だよ」