【ヒューストン(米テキサス州)4日(日本時間5日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(31)が、今季3度目の「投手専念」でアストロズ戦のマウンドに上がる。二刀流で出場予定だったが、ロバーツ監督が急きょ起用法の変更を明かした。この日の試合前には、登板前日にもかかわらず早出の屋外フリー打撃で異例の運動量となる55スイング。その後はブルペン入りし、翌日の登板へ準備を整えた。「1番DH」で出場した試合では3打数無安打に終わり、自己ワーストを更新する24打席連続でノーヒットとなった。
◇ ◇ ◇
負荷のかかる投打の二刀流調整が、突然の起用法変更につながった。大谷はアストロズ戦で5打席のうち、2四球を選んだ。併殺崩れを含めて塁に出た3度とも、後続の安打や長打などで激走した。5回に四球から次打者の中前打で三塁まで走った直後は、両手をひざについて疲労をにじませる姿も。二刀流での起用を明言していたロバーツ監督は試合後、「今日は早出で練習して、彼は懸命に取り組んでいる。明日は投げるだけになる。ピッチングに集中させ、体を休ませて、その後を考える」と語った。
試合開始の4時間半前、大谷はバットを持ってフィールドに登場した。敵地で行う早出の特打は極めて珍しい。黙々とバットを振り込み、55スイング。フリー打撃で平均的な30~40スイングと比べ、「量」に明らかな違いがあった。これまでは各セットで7~10スイング前後だったが、この日は4セット目で20スイング。汗をしたたらせ、息をつき、力を振り絞るようだった。途中、地元放送局が打撃ケージ横からテレビカメラを構えようとすると、大谷はこれを嫌がり、ジェスチャーで制止。ピリピリした緊張感も漂っていた。
打撃練習を終えると、約40分後にはキャッチボールを開始。ブルペンでは笑顔を交えながら楽しそうな表情で腕を振った。約7~8分の投球練習で終了。5試合の登板で防御率0・60と安定感抜群の投手大谷と、24打席連続ノーヒットの打者大谷。調整の雰囲気からもまるで別人、対照的な状態を物語っていた。
今季はここまで33試合の打者出場で打率2割4分、6本塁打、14打点。二刀流でフルシーズンを完走した22年は同条件で打率2割5分、6本塁打、21打点でさほど変わらない。ロバーツ監督はアストロズ戦後、「(無安打の)結果は全く関係ない」と言ったが、層の厚いド軍では、打撃の状態が上がらなければ登板時に投手専念となるのは避けられない。移籍後の2年間で109本塁打。投手で圧倒しながら、期待値が高いだけに打者の不調が続けば周囲はざわつく。それがまた、二刀流の宿命でもある。



