<オールスター:ナ・リーグ0-3ア・リーグ>◇16日(日本時間17日)◇シティフィールド

 ア・リーグが、4年ぶりに勝利し、最優秀選手(MVP)には今季限りでの引退を表明しているマリアーノ・リベラ投手(43=ヤンキース)が獲得した。

 マリアーノ・リベラ劇場だった。3点リードの8回。宿敵メッツの本拠地に入場曲「エンター・サンドマン」が鳴り響く。背番号「42」がマウンドへ向かうと、4万5000人超の観客がスタンディングオベーション。グラウンドにはリベラ1人だけだ。両軍選手がベンチ前に整列して拍手を送ると、帽子を取り、球場全体にあいさつをした。

 リベラ

 あの感動は言葉にできない。あんなサプライズが待っていたなんて…。もう少しで涙がこぼれそうだったよ。

 不慣れな8回の登板も投球スタイルは変わらない。16球すべてカットボールで3者凡退。クローザー史上初のMVPを獲得した。

 リベラ

 勝利に貢献できてよかった。MVPはおまけのようなもの。ヤンキース、そして素晴らしいニューヨークのためにプレーできたことを誇りに思う。

 今季限りで引退するが、史上最多通算638セーブの実力で最後の球宴選出を勝ち取った。そして最高の栄冠。愛妻と3人の息子と並んだ記者会見では、質問を受けるたびに「ありがとう」と優しい笑顔を浮かべながら丁寧に答えた。約15分の会見が終わると、記者から自然に拍手がわいた。