本調子でない上に、味方のミスで足を引っ張られた。さすがの広島黒田博樹投手(40)も、踏ん張ることができなかった。「当然勝つに越したことはないけど、何とか粘り強く試合を作りたかった」。チームの連勝が4で止まり、勝率5割復帰に失敗。ベテラン右腕は唇をかんだ。

 立ち上がりから球が高めに浮つくなど制球にズレがあった。前回、6月30日巨人戦で有効だったスプリットが試合前ブルペンから精彩を欠き、組み立てを難しくした。

 試合の中で修正する前に失点した。1回だ。1死一塁から、梶谷の左翼線二塁打で、本塁返球を捕手石原がつかみきれずに先制を許した。筒香の左翼後方への飛球はエルドレッドが追いつけず(記録は二塁打)追加点を許した。「序盤の2点が流れ的に痛かった。5回の失点も何とか展開上は抑えたかった」。1点差に迫った5回は、先頭の遊ゴロを田中が後逸。1死二塁からは三盗を許し、内野ゴロの間に3点目を失った。立ち上がりから球数がかさみ、6回まで102球。6安打3失点で、日本復帰後初の連敗。4敗目を喫した。

 それでも日米通算の投球回は3113回1/3となり、プロ野球23位の元広島北別府学(3113回)を抜いた。「イニングに関しては、シーズンが終わったわけではないので、シーズンが終わってからでいい。切り替えてコンディションを整えていきたい」。自身の記録よりもチームの勝利。黒田は早くも前半戦最後となる次回登板を見据えた。【前原淳】