西武ドラフト1位の富士大・多和田真三郎投手(22)が、松坂を超える飛躍を誓った。11日、岩手県雫石町内で入団交渉を行い、契約金1億円プラス出来高5000万、年俸1500万円(金額は推定)で合意。背番号は松坂、涌井らが背負ったエースナンバー「18」に決まった。「最高の条件を(提示)してくれたので、ハイ…。驚きは大きいですが、やってやろうという気持ちが強くなりました」と、気を引き締めた。

 松坂や涌井ら西武のスターが背負ってきた大きな番号だ。富士大でも1年秋からつけてきた番号でもあるが「西武のは違うかも」と、早くもプレッシャーは感じているようだ。だが、同時にやりがいでもある。「重いですけど3、4年後には松坂さんや涌井さんみたいな活躍ができるよう頑張ります」。責任感を言葉にした。

 大きなステップから投げ込む最速152キロ直球は、浮き上がるような軌道で打者へ向かう。水沢スカウトは「球質は岸や郭泰源といったタイプ」と期待を寄せた。多和田は郭泰源を知らなかったが、周囲からと説明されると「勉強します!」。偉大な先輩から多くを学びながらも、ライオンズの新しい時代を作っていくつもりだ。

 入団交渉が行われたこの日は11月11日。「4つ1番が並んだので、タイトルを4つくらい取りたいと思います」。まず狙うのは新人王だが「一番欲しいのは最多勝」と頼もしく言い切った。【成田光季】

 ◆西武の背番号18 多和田が16人目となり、初代のアンダースロー武末悉昌から涌井秀章まで15人全員が投手。87~97年郭泰源、99~06年松坂大輔、09~13年涌井と近年は本格派右腕がつけている。松坂は新人年からつけたが、入団から16番だった涌井は、07年オフに球団から変更を打診されたが「まだ早いと思っている」と固辞。09年に18番をつけると、いきなり沢村賞を獲得した。