虎でも伝説作る! 阪神ドラフト1位の明大・高山俊外野手(22)が12日、野球殿堂博物館での「東京6大学リーグ最多安打記録時使用バット・達成球寄贈に伴う感謝状贈呈式」に参加した。大学野手では初の名誉。アマ野球界の歴史を塗り替えた男は、プロ野球でも記念品を寄贈できる活躍を誓った。

 王、長嶋、バースにイチロー…。日本球界で数々の金字塔を打ち立てた野球人の栄誉を展示する野球殿堂博物館。そこに高山という新たな名が刻まれた。

 「歴代素晴らしい選手のいろいろなものが飾ってあるところに、野球選手としてバットとボールを寄贈させていただくということは野球選手として光栄なことだなと思います」

 東京6大学最多安打記録を更新する128安打目を放ったバットとボールが、展示されることになった。大学時代に野手で展示されるのは初の快挙。次に目指すは、もちろんプロで活躍しての贈呈だ。

 「新しいところで活躍して、またここに1つでも多く何かを寄贈出来るような選手になれればいいかなと思う」

 大学、プロの両方で活躍し、記念品を寄贈した選手は、過去をさかのぼっても和田毅投手(早大とソフトバンクで寄贈)のみ。また、阪神では、金本監督が904試合連続フルイニング出場の世界記録を達成した際のユニホームが展示されているが、以降は寄贈した選手は出ていない。

 現在は今秋のリーグ戦で痛めた右手有鉤(ゆうこう)骨骨折のリハビリを続けている。現状ではいまだバットを振ることは出来ていないが、リハビリは順調に進んでいる。「しっかり続けてやれば間に合うと思います」と、来春のキャンプインにも間に合う見込み。

 「こういう寄贈をしたという選手に恥じないような選手になっていくことが一番。ここがゴールではないので。ここからが勝負だという思いで頑張っていきたい」

 見据えるは果てしなき先の先。大学野球界のレジェンドから、プロ野球界のレジェンドへ。高山が新たな歴史をつくっていく。【梶本長之】

<大学野球での主な展示物>

 ◆13年4月21日に早大・高梨雄平投手 東大2回戦でリーグ史上3人目となる完全試合達成時のウイニングボール

 ◆02年10月2日に早大・和田毅投手 法大3回戦で東京6大学新記録となる通算444奪三振達成時のボール

 ◆00年10月22日に立大・上重聡投手 東大2回戦で完全試合達成時のウイニングボール

 ◆69年10月18日に法大・山中正竹投手 明大1回戦で通算48勝達成時のウイニングボール