巨人ドラフト1位の立命大・桜井俊貴投手(22)が、東北福祉大戦に先発。スプリットとチェンジアップを決め球に、大会タイ記録となる毎回の18三振を奪い、3安打完封勝利を飾った。巨人OBの江川卓氏の記録を1つ上回る快投で、急きょ視察に訪れた高橋由伸監督(40)を喜ばせた。

 巨人高橋監督は、ドラフト1位桜井を電撃視察した。球団行事を終えると、「少しでも見たいと思って」とバックネット裏の放送席から、投球を2イニングだけチェックした。見た対戦打者は6人のみ。それでも、評価するには十分だった。いきなりの3者連続を含む計4三振に、目はくぎ付けだった。「三振は18個でしたっけ? なかなかたくさん取るのは難しい。真っすぐでも変化球でも取れる。コントロールと力の、それぞれがないと取れない。スタミナがあるという話も聞いています」と賛辞を並べた。「見る数は少なかったけど、その中でも三振は取れている。そこは魅力」と目尻を下げた。

 試合後、初対面は実現しなかった。「残りの学生生活を精いっぱいやって、気持ちを切り替えて準備して欲しい。期待しています」とのメッセージを残した。来春キャンプは1軍か、との気の早い問いには「それは、まだ」と穏やかに制しつつ、「少しでも見られて良かったです」と笑顔で帰路に就いた。