巨人で選手が自チームの勝敗に絡んで金銭授受を行っていたことが判明した問題に絡み、阪神と西武でも選手間の金銭のやりとりがあったことが15日、分かった。

 阪神四藤慶一郎球団社長(55)が15日、チーム内で公式戦の勝敗に絡んで選手間で金銭のやりとりがあったことを明かした。試合前の円陣に絡み、3連勝以上で声出し役の選手に野手1人から5000円の「祝儀」が出るシステムで11年から常態化していた。

 ウエスタン・リーグの開幕戦に合わせて鳴尾浜を訪れていた四藤球団社長が、巨人での金銭授受に関連して口を開いた。「似たようなことがあったのは、否定しない。現在は倫理の欠如につながることはやらないと決めている」と述べた。

 四藤社長は金銭授受のシステムを「声出しした選手の試合の際に勝利して、3連勝した場合には野手1人5000円。4連勝すれば、さらに5000円ずつ。祝儀を集めるというもの」と説明。勝てば声出し役は変わらず、4連勝なら1人1万円、5連勝なら1万5000円と増えていく方式だ。「5年前(から)と聞いています」と、巨人よりも以前となる11年シーズンから常態化していた。

 昨秋、巨人の野球賭博問題が起こり、球団内調査で「声出し」の事実を知った。前日14日に巨人で発覚後、球団首脳が現場に確認して詳細を把握。日本野球機構は野球協約違反に当たらない見解を示すが、巨人で発覚後の公表となり、四藤社長は後手に回った印象について「結果としてそういうことになると思います」と対応のまずさを認めた。

 試合前のノックでも数年前から金銭授受があり、昨秋の調査で把握。ミスした選手がジュースをおごるものだが、14年に限っては1回500円をプールし、選手の食事会費用にあてていたという。四藤社長は「いよいよこれから始まる時に残念ですけど、襟を正してやっていきたい」と自戒する。