今秋ドラフトの目玉で最速156キロ右腕の創価大・田中正義投手(4年=創価)が2日、メジャー希望を封印し、進路を国内に絞ったことを明らかにした。12球団OKの姿勢を示し、今日3日にプロ志望届を提出する。プロ入り後の目標について「最速160キロ超え」と「シーズン200投球回」を掲げた。将来的なメジャー移籍の夢を抱きながら、10月20日のドラフト指名を待つ。

 田中は、本気でメジャー挑戦を考えていた。悩みに悩んだ末、出した結論は「封印」だった。岸雅司監督(61)は「国内、海外を含め葛藤はあった。アメリカに憧れる気持ちは分かるが『一足飛びに行くのではなく、現実を見て日本でしっかりやろう』となった」と明かした。

 できるだけ早く、夢の舞台に立ちたかった。田中は「9月(17日)の共栄大戦あたりまで悩んでいた」と振り返った。4月23日のリーグ戦で右肩を痛めて離脱し、7月中旬には右太もも裏を肉離れ。ドラフトイヤーは苦難の連続だった。「(メジャーに行く)チャンスがあれば逃したくないと思っていたけど、今年はうまくいかないことが多かった。自分で、まずは日本でやろうと決めました」。決断を監督や両親にも伝え、今日3日にプロ志望届を提出する意思を固めた。

 もう、青写真は描いていない。今秋ドラフト1位で競合が確実な剛腕は「指名していただいた球団で必死にやって、結果を残すことしか考えていない。先を見ていいことはないので、いつまでに(メジャーへ)行きたいとかはない」と言った。そして、目標を掲げた。「200投球回は想像もつかないすごさがあると思う。球速は160キロ出せたらうれしいけど、ゴールにはしたくない」。プロで誰もが認める大投手になり、いつの日か海を渡る。【鹿野雄太】