ロッテ小谷正勝2軍投手コーチ(71)が、今季限りでの退団をチームに申し入れたことが11日、分かった。投手の育成、技術指導に定評のある同コーチは13年から同職を務めている。プロ意識が非常に強く、1軍に送り込めなかった即戦力の投手や伸びしろのある好素材を育て上げられなかったことに対して、けじめをつけたい気持ちが強いという。

 4年間の任期中に残した財産は計り知れない。個性や長所を伸ばす指導に徹し、今季は先発で7勝を挙げた二木、勝ちゲームの終盤を担うまでに成長した南らを1軍に送り出した。調子を崩してファーム落ちした主力投手のメカニック指導も担当。唐川とは二人三脚でフォームを洗い直し、球威を大幅アップさせて先発ローテに戻した。

 1、2軍の関係なくロッテ投手陣を把握し、安定してAクラスを確保できるよう力を底上げした。一方で、ソフトバンク、日本ハムに対抗し、上回るだけの投手層を築けなかったことへの反省も大きく、自ら退団する意思を固めた。CSはファーストステージで敗退。来季へ向けて巻き返しを図るチームにとっては大きな痛手となる。

 ◆小谷正勝(こたに・ただかつ)1945年(昭20)4月8日、兵庫県生まれ。明石高から国学院大を経て、67年ドラフト1位で大洋入団。通算285試合24勝27敗6セーブ、防御率3・07。79年に大洋でコーチとなり、ヤクルト、巨人、ロッテに移籍。三浦(DeNA)石川(ヤクルト)内海(巨人)と現役勝利数1、2、4位を指導した。右投げ右打ち。