来年3月のWBCに向けた強化試合を控える侍ジャパンの“弟分”が世界一になった。U23(23歳以下)ワールドカップ(W杯)は6日、メキシコのモンテレイで決勝が行われ、日本がオーストラリアを10-3で破り、新設大会の初代王者に輝いた。大会MVPには4本塁打を放った真砂(ソフトバンク)が選ばれた。

 直近の3試合はすべて1点差ゲーム。接戦を通じてたくましさを身に付けた日本は、劣勢にも動じなかった。先発の笠原(ソフトバンク)が3失点と苦しいスタート。しかし4回裏に敵失などで同点とし、なおも2死一、二塁の好機で柿沼(ロッテ)が勝ち越しの左前適時打を放った。

 6回には広岡(ヤクルト)が左翼へ特大の3ランを運ぶなど一挙5点を追加してリードを広げた。守っては救援陣が踏ん張り、大野(三菱日立パワーシステムズ横浜)、本田(西武)、岸本(中日)、歳内(阪神)とつなぎ反撃を封じた。

 記念すべき第1回大会を制し、決勝打の柿沼は「初代王者になれて本当にうれしいです。大会初打点も挙げることが出来ました。スタメンで使ってもらえる機会も多く、とても勉強になりました。この経験を将来に生かしたいと思います」と話した。

 プロとアマの混成チームを1つにまとめた斎藤雅樹監督(巨人)は「しっかり守って数少ないチャンスをものにする日本の野球ができた。胴上げは選手の時よりうれしい。3点をリードされたことがなかったので今日の勝ちが一番うれしい」と喜んだ。小久保ジャパンにも勢いを与える、若侍の快進撃だった。

 ◆U23W杯 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が主催する年代別の世界大会の1つ。14年に台湾で開催されたU21大会の年齢制限を2歳引き上げた。今後は4年に1度のペースで開催される予定。