復調弾で大勝導く!! 2試合ぶりスタメンの広島堂林翔太内野手(25)が試合を決定づける今季1号3ランを放った。昨季終盤に弟子入りした新井貴浩内野手(40)と組んだ6、7番のコンビで大量得点をたたき出し、勝利に貢献した。チームは交流戦連勝スタートで今季2度目の7連勝。貯金は12まで膨らんだ。

 内角の厳しい球に腕をたたみ、体を回転させた。じわりじわりとリードを広げた5回1死一、三塁。堂林が放った放物線は左翼席中段に着弾。一塁ベースを回ると、小さく右手を突き上げ、感情を解き放った。16年4月26日ヤクルト戦以来、400日ぶりの1発が試合を決めた。

 「ただただ反応できた。感触は良かったです。内野ゴロでも、と楽な気持ちで入れました」

 「7番左翼」で2試合ぶりに先発出場。ネクストバッターズサークルでは、前を打つ6番の姿でイメージをつくった。新井は2打席目にしぶとく粘って四球。3打席目は満塁から低めの球をおっつけ、逆方向へ2点打。手本のような打撃だった。「4番から右が並んでいたので、特に先発のときは参考になった」。5回は右の田村から左の小石に代わったが、いいイメージを持って打席に入った。

 昨季終盤に志願して新井に弟子入り。師弟関係はシーズンに入っても続く。試合前の打撃練習を、新井がベンチからチェックすることもある。5月18日DeNA戦前の練習後には、ベンチ裏のスイングルームで約10分、新井が身ぶり手ぶりで堂林にマンツーマン指導。「無理を言ってたまに見てもらっている。自分の中で感じていたズレを指摘してもらった」。軸足側に重心を残し、打球を後ろから見るイメージを指摘された。状態を維持できている陰に、師のサポートがある。

 3年ぶり開幕1軍も、代打だけでなく、守備固めや代走起用もある。出場機会が限られる中、交流戦初スタメンで今季初本塁打。勝利に貢献した。緒方監督は「少ないチャンスで結果を見せてくれた。自分でチャンスをものにしてくれている」と喜んだ。全試合出場の12年から苦闘の続く堂林が復調アピール弾で、交流戦の「新戦力」に名乗りを上げた。【前原淳】

 広島新井(堂林の今季1号に)「難しいボールをね。ナイスバッティング。アドバイス? 僕は関係ない。打ったのは彼なので」