阪神中谷はクリーンアップ4試合ぶりの打点をたたき出し、試合の行方を決定づけた。5番一塁で先発。3点リードの8回無死一、三塁、2ボールから左腕ガルセスの外角140キロを逆らわずに強振した。ライナー性の飛球で右中間最深部を破り、一気に三塁を陥れた。ダメ押しの2点打だ。

 中谷 前の打席で大胆になって大振りになってしまっていたので、コンパクトにいきました。結果が出て良かったです。

 試合前時点での打率は2割1分8厘。それでも金本監督は6試合連続でスタメン起用し、7試合ぶりにクリーンアップの一角に据えた。指揮官は「今の数字を見るとスタメンで出る数字じゃないけど、こっちを何か期待させてくれるモノを持っている。他にいないというのもあるんですが(笑い)」と冗談めかしながら意図を説明する。

 チーム屈指の長打力は大きな魅力。そこに確実性が加われば、出番はさらに増えるに違いない。この日はタイムリーが飛び出す前の3打席で2打数無安打。6回2死では野上のフォークを空振り三振していた。失敗を糧に修正しての一打は価値がある。金本監督は「自信にして明日も頑張ってほしい」と背中を押す言葉を残した。今度は快音を継続させ、安定感を印象づけにかかる。【佐井陽介】