「不死鳥」がお祭り舞台に戻ってくる! 26日、「マイナビオールスターゲーム2017」(第1戦=7月14日ナゴヤドーム、第2戦=同15日ZOZOマリン)のファン投票最終結果が発表され、阪神鳥谷敬内野手(36)が2年ぶり7度目の球宴出場を決めた。三塁部門1位に輝き、得票数47万1327はセ・リーグ最多。鼻骨を折りながらもプレーを続けた姿がファンの心を動かし、セ界の顔に選ばれた。

 鳥谷は照れくさそうだった。本来は必要以上に目立つことを苦手とするタイプ。まさか三塁転向1年目の今季、セ・リーグ最多得票で球宴返り咲きを決めるとは想像していなかったのだろう。26日は36歳の誕生日。記念日に2年ぶり7度目のオールスター出場を決め、表情を緩めた。

 鳥谷 本当に選ばれるだけでもうれしいことですけど、最多で選ばれるというのは名誉なこと。選んでいただいたファンの方々に感謝したいですね。

 三塁部門1位に輝き、得票数は47万1327。最多得票は12年に続き、自身2度目だ。2つ以上のポジションでのリーグ最多得票は阪神では初の快挙となる。

 遊撃手では12年から4年連続でファン投票選出されるなど常連ではあった。ただ、昨季途中に不動だった遊撃レギュラーの座を奪われ、今季はゼロからのスタートだった。ここまで全66試合に出場し、打率3割4厘はチームトップの数字。「まだまだ慣れないポジションではあるんですけど、本当に評価してもらったというか。違うポジションで出るというのもいいのかなと思います」。泥臭く、お祭り舞台に戻ってきた。

 5月24日巨人戦で顔面に死球を受け、鼻骨を折りながらも連続試合出場を続けてきた。黒のフェースガードを装着して打席に立つ。そんな姿に心を揺さぶられ、票を投じた野球ファンは少なくないだろう。

 鳥谷 自分たちは毎日試合があるけど、その日しか来られない人もいる。そういう意味でも毎日出たいと思ってやっている。常に試合に出続けたいという気持ちで、たくさんの人に票を入れていただいた。本当にありがたいです。(球宴も)勝負事なんで勝てるように頑張ります。

 チームは4連敗中。首位広島に5ゲーム差とされ、今が踏ん張りどころだ。今日27日からは中日、ヤクルトと6連戦。勝利への執念を見せ続けることで、感謝の気持ちを体現していく。【佐井陽介】