楽天の先発岸孝之(32)が勝負どころの8回に崩れて、3敗目(6勝)を喫した。2点リードのこの回は、1死から二塁打と四球で一、二塁としてタイムリー安打を許し、1点差に迫られて降板。2番手でマウンドに立った守護神・松井裕が、直後に三塁手のウィーラーの失策と連打を浴びて逆転された。

 7回で108球。8回の続投に与田投手コーチは「岸の意思と我々の意思が一致したので、十分いけると判断した」と説明した。岸は「いろいろ後悔することがある。どんな後悔? いろいろです」と悔しさをにじませた。二塁打の後、2番今宮に3球で3ボールとカウントを悪くして、四球を与えたのも痛かった。

 先発した直近2試合は、初回に得点圏に走者を背負い「ここ2試合の反省を踏まえて」と、立ち上がりを3者凡退に仕留めてリズムをつかんだ。2回に5番松田に本塁打を浴びても、7回まで3安打に抑え込んだ。梨田監督は「暑い中、よく頑張ってくれた」と評価したが、5月21日のロッテ戦でも1点リードの8回に逆転2ランを打たれるなど、終盤の踏ん張りが1つの課題になっている。

 楽天は今季初めて土、日曜を連敗。ここまで4戦全勝だった黒ユニーホームの着用試合にも敗れた。2位ソフトバンクとのゲーム差はマイナス0・5で、勝率で辛くも上回り首位は変わらなかった。岸は「反省して、切り替えて臨みたい」と、次回登板への雪辱を誓った。【久野朗】