金本阪神が巨人に完敗し、ついに首位広島とのゲーム差を8に広げられた。初回守備では、三塁線に転がったフェアかファウルか微妙な村田のゴロを鳥谷が捕球したが、どこにも投げられず適時内野安打となって先制点を献上。打線も先発マイコラスらに上本のソロ1点に抑えられた。先発ドラフト2位小野が投げる試合は野手が援護できないことが多い。広島にこれ以上離されないためにも、野手陣の奮起が必要だ。

 打線が爆発した前夜の流れを引き継げない。本拠地に戻った金本阪神が攻守で巨人に完敗した。立ち上がりに苦しむルーキー小野を野手陣が助けられなかった。1回表2死二、三塁。村田がボテボテのゴロを三塁線に放った。フェアかファウルか微妙な位置で、鳥谷が捕球。送球動作の途中で、プレーを止めた。審判はフェアの判定を下し、内野安打で先制点を献上した。

 久慈守備走塁コーチ こっちからはファウルに見えたけど、アンパイアがフェアと言っているし。後ろを守っているから、捕りに行くからね。欲を言えば、ファーストまで投げてほしかったと思うけど…。でも、それはトリの判断だから。

 捕球しなければ、フェアのまま左翼線に抜けた可能性はある。一塁に送球してもセーフだったかもしれない。難しい判断の中で1点を失った。その後、小野は2点目のタイムリーを打たれた。

 打線も援護できなかった。前夜のヒーローである中谷&原口がともに4打数ノーヒット。上本のソロによる1得点に終わった。試合後、金本監督はサバサバした表情だった。「昨日打ったから、今日もすんなり…とはね。そう簡単にはいかないでしょう。今日のマイコラスは今年対戦したピッチャーの中で一番よかったんじゃないか」。巨人マイコラスの投球に白旗をあげた。7回には糸井、福留の連打で見せ場を作ったが、5番以下が3者連続飛球に倒れる。8回まで攻略の糸口が見つからなかった。

 「ストレートのキレもカット気味のスライダーも、あれだけのキレキレを見せられると、ある意味、今日は難しかったと思える。バッターはああいう球を打てるように練習してほしい。でも、僕は打線は責められないと思う」。指揮官は敗戦を潔く受け入れた。広島が逆転勝ちを飾り、首位とのゲーム差は「8」に開いた。波に乗るきっかけがチームにほしい。【田口真一郎】

 ▼小野の先発7試合で阪神の総得点は14点で、1試合平均2・0点。他の投手での平均4・1点の半分以下に落ち込む。小野の前々回登板6月18日楽天戦、前回登板の同28日中日戦でチームはいずれも完封負けを喫しており、これで3試合連続で1点以下となった。

 ▼7日巨人戦で、阪神の得点は上本のソロ本塁打による1点のみ。小野が先発した試合では、6月11日ソフトバンク戦7回糸原の右前打を最後に、29イニング適時打が出ていない。