オリックスの4連敗を止めたのは、腰痛で離脱していた吉田正尚外野手(23)だった。今季初昇格即「3番DH」で先発。3回に決勝点となる先制2点打を放ち、いきなりのお立ち台では「アメイジング! 驚いています」と笑った。

 2死一、二塁から大城が遊撃内野安打。「必死に走ってくれた」と同学年の激走でハートを揺さぶられた。ロッテ石川の内角150キロに力負けせず、ライナーが中前ではずんだ。8回も中前打で2点追加。「流れを変えられたらと思っていた」と喜んだ。

 まさに緊急昇格だった。1軍合流を告げられたのはこの日の朝。2軍戦に備えて寮の風呂に入っていた。「温まっていて、出たら(合流と)言われた。びっくり。すぐ準備した」。まだ2軍戦は5試合のみで、フル出場していないが、福良監督は昇格を決めた。「練習を見て判断した。起爆剤にと思ったが、いい働きをしてくれた」と明かした。

 開幕直前に離脱。ここまで3カ月以上かかった。昨年10本塁打で飛躍を期待された大砲候補。腰には、まだ不安がある。それでも「勝つことだけを考えてチームに貢献したい」。出遅れを必死に取り戻す覚悟だ。【大池和幸】