神宮祭りの最後を締めたのは、阪神ドラフト1位ルーキーだった。8点リードの9回表1死一、二塁。大山が豪快なアーチをかけた。右腕風張の142キロ直球をとらえると、左翼席中段まで運んだ。「思い切っていくことを心がけた。手応えはあった」。プロ初本塁打を放った1日のヤクルト戦(甲子園)以来となる2号3ラン。チーム今季初となる1試合4発の花火ショーを華々しく締めた。

 ロジャースが加入し、西岡が1軍に復帰した。球宴明けはスタメンの機会がない。試合前には室内練習場に向かい、打撃マシンを相手に一心不乱にバットを振った。風が通らず、蒸し暑い中での特打だった。「自分のやるべきことをやるだけです」。まだ他の選手の動向を気にする立場ではない。与えられた時にどう力を発揮するか。ベンチから出番をうかがっていた。7回に代走で出場し、一、三塁を守った。そして巡ってきた1打席で結果を残した。

 試合後、金本監督はルーキーの1発にも触れた。「大山の1発が気持ちよかった…」。ベテランの先制アーチに、助っ人の2発。負けじと打った若虎の3ランがうれしかった。【田口真一郎】