DeNAが「史上初の3連発」で逆転サヨナラ勝利を飾った。3点ビハインドの9回。3番筒香嘉智外野手(25)の2ランから始まり、4番ホセ・ロペス内野手(33)の同点ソロ。さらに、5番宮崎敏郎内野手(28)がサヨナラアーチを放った。3者以上の連続本塁打でサヨナラ勝ちはプロ野球史上初めて。前カードの巨人戦3連敗の悪い流れを、主軸の3発で断ち切った。

 サヨナラムードが後押しする3連発の大トリアーチは、カープファンが陣取る左翼スタンド最前列に吸い込まれた。打った宮崎は、ダイヤモンドを1周してフィナーレを飾る。殊勲者の内心は「むっちゃ緊張しました!」。3点差あったビハインドを、最後の最後にひっくり返してサヨナラ勝利。「前がつないでくれて、僕も思いきりいけました」。アーチを競演した前の2人に感謝した。

 沈黙のクリーンアップが、9回に火を噴いた。柴田が出塁して無死一塁でまずは筒香が、右翼上段への2ランで1点差。さらに4番ロペスが左翼への同点弾で振り出しに戻した。3連発への期待が充満する横浜スタジアム。敗色濃厚の雰囲気から、その期待に応えた宮崎は、守備で流れを引き寄せていた。7回無死満塁で鈴木の鋭い三ゴロを横っ跳び。ラミレス監督が「あのダイブで1点に抑えたことで流れが変わり始めた」と、分岐点のワンプレーだったと評価した。

 守備のときには重心を極端に下げて、低姿勢でかまえる。理由は股関節の形状にあった。プロ入り2年目に、医者から生まれつき股関節周りが硬い「ピストルグリップ」と診断された。手術をしないと治らない症状で「打球への1歩目が出ない」と悩んだが、ソフトバンク松田の重心の低い姿勢を見て参考にした。「股関節を柔らかくするために今の体勢になった。強い打球がくるので、飛びつきやすいですし」と、研究の末に課題を克服した守備で、流れを引き寄せた。