これは本物や! オリックスのドラフト4位ルーキー山本由伸投手(19)がプロ2戦目で初勝利を挙げた。脱力を意識した投球で5回2失点の好投。最速は152キロを計測した。「ほっとした気持ちとうれしい気持ちでいっぱい。入った時は、まさか1年目に1軍で投げさせてもらえると思わなかったので」。球団の高卒新人では、94年平井正史(現コーチ)以来の勝利だ。

 「金子さんみたい」とある選手はエースに例える。研究熱心であること。そして時に打者目線で投球を考えること。山本は都城(宮崎)2年の時、先輩の投げるツーシームを打席で凝視。「これは使えると思った」。必死に習得して今の得意球に。プロ入り後も先輩の打者を質問攻めにする。

 高校3年間で60キロだった体重が17キロも増加。3食以外に2リットルの容器に詰めた白ご飯を間食にした。増量で入学時130キロ程度だった球速は151キロにアップ。プロ入り後は「脱力投法」を身につけるため、1日100回のバットスイングにも取り組んできた。

 巨人監督と同じ名前は、巨人ファンの父が夫婦の1文字ずつを組み合わせて命名した。堂々たるマウンドさばき。ピンチでも動じない精神力。将来のエース候補を福良監督も「たいしたもの。必ずゲームをつくってくれる」と絶賛した。【大池和幸】

 ◆山本由伸 やまもと・よしのぶ。1998年(平10)8月17日、岡山・備前市生まれ。伊部小の伊部パワフルズでは捕手。東岡山ボーイズでは二塁手として全国大会出場。都城(宮崎)での甲子園出場経験なし。昨年ドラフト4位でオリックス入団。177センチ、77キロ。遠投110メートル。右投げ右打ち。