阪神が、奈良学園大の宮本丈(たけし)内野手(4年=履正社)をドラフト会議(10月26日)の上位指名候補にリストアップしていることが11日、分かった。二遊間を守れる内野手が今オフの補強ポイントに浮上。大学日本代表に選出され、アマ球界屈指の遊撃手を高く評価している。この日行われた近畿学生野球秋季リーグを、高野球団本部長が自らチェックに訪れた。

 阪神が新たな遊撃手の発掘に動いていた。この日、大阪シティ信用金庫スタジアムで行われた近畿学生リーグに11球団18人のスカウトが集結。お目当ては奈良学園大の宮本だ。各球団のスカウト部長クラスが駆けつける中、阪神からは高野球団本部長の姿があった。ネット裏からアマ屈指の遊撃手に熱視線を送った。

 10月26日に開催されるドラフト会議では、早実の怪物スラッガー・清宮幸太郎内野手(3年)を1位指名の大本命に位置づけている。清宮に次ぐ補強ポイントとして、先発投手を優先する方向だが、ここに来て、二遊間を守れる内野手の獲得プランも浮上した。今季はプロ5年目の北條が遊撃で開幕スタメンの座を射止めたが、その後は打撃不振に苦しみ、伸び悩んだ。若手を見れば、二遊間のポジションは北條以外に植田や糸原、板山らがいるが、手薄な状況だ。数年後を見据えると、獲得が急務となっている。

 そこで上位候補にリストアップされたのが、宮本だ。大阪出身で履正社では2度甲子園に出場。奈良学園大に進み、1年春から遊撃のレギュラーを勝ち取った。3度のリーグ首位打者を獲得。昨年の大学選手権では大会史上初のサヨナラ満塁弾を放ち、勝負強さと長打力を兼ね備える。侍ジャパン大学日本代表にも選出され、今夏のユニバーシアード(台湾)で8打数3安打2打点と大舞台でも力を発揮。走攻守3拍子そろった逸材で、北條のライバル的存在になる可能性は十分にある。

 若手育成に力を注ぐ金本阪神では中谷や大山ら大砲候補が台頭しつつある。二遊間でも若手が躍動すれば、チームの骨格はさらに強くなる。他球団の動向を注視しながら、宮本に注目していく方針だ。