中日のドラフト2位、京田陽太内野手(23)が球団の新人安打記録に肩を並べた。6回の第3打席でギルメットから左翼線にはじき返し、今季139安打。59年の江藤慎一に並んだ。

 「偉大な先輩に並ぶことができて光栄に思います。まだゲームは続くので、これに満足することなく積み重ねていきたい」

 半年におよぶ戦いは未知の世界。食が細いため、夏場は体力が落ちた。体重も入団時から3キロ減。ナゴヤドームで先輩の大島のロッカーを見て驚いた。「見たこともないサプリメントやプロテインがずらっと並んでいて。自分は本当に意識が低いと思いました」。食生活にも気をつけ、夏場を乗り切った。5月24日からは全試合フルイニング出場。現在は10試合連続安打とペースを上げている。

 セ・リーグ記録は巨人長嶋茂雄の153。残り12試合で大記録を追いかける。1番遊撃で使い続ける森監督も「長嶋さんを抜いたらまずいだろう」と笑いつつ「1本でも多く打てれば、来年につながるものも出てくる」と期待した。5位チームで輝きを放つ新人は「実感はないです。記録のために野球をやっているわけではないので」と勝利につながるプレーをあらためて肝に銘じた。【柏原誠】