甲子園で胴上げじゃ~! 優勝へのマジックを1としている広島が雪辱を誓った。台風18号の接近に伴い、17日のヤクルト戦(マツダスタジアム)が雨天中止。優勝は今日18日の阪神戦(甲子園)以降に持ち越しとなった。マツダスタジアム屋内練習場で汗を流したナインは、午前中のうちに新幹線に乗り、続々と神戸に入った。舞台が舞台だけに、決意も固い。

 忘れるはずがない。“甲子園の悲劇”と呼ばれる5月6日の阪神戦(甲子園)。広島は5回表終了時点で9-0と大量リードしながらも、ひっくり返されて敗れた。今季のターニングポイントになった試合だ。野手陣には攻め続ける姿勢が根付いた。試合終盤まで集中力を絶やさない。逆転勝利は83勝中41勝。チームのホワイトボードには「攻撃は最大の防御」、「殴る。諦めるまで殴る」と書かれたこともあった。

 あの日3安打3打点1本塁打だった丸は「むしろいい教訓になっている。いつも通り、自分たちの野球をする」と語る。あの日、菊池に代わり「2番三塁」でスタメン出場していた安部も「あの悔しい思いがあるので、ここまで頑張って来られた」と隠さずに言う。悲劇を見せてしまった甲子園の広島ファンの前で、今度は歓喜の胴上げで恩返しするつもりだ。

 マジック1。ゴールテープの切り方も大切だ。前日16日に地元胴上げを逃したばかりだからこそ、ここで広島野球の結集を見せる。緒方監督は「気持ちをしっかり切り替えて。全力で戦う。我々の戦いをする。頑張ります」と力を込めた。台風一過の甲子園に、万歳三唱を響かせる。【池本泰尚】