阪神が不退転の決意で清宮指名を敢行する。史上最多の高校通算111本塁打をマークした早実(西東京)の清宮幸太郎内野手(3年)がプロ志望届を提出する意思を固め、きょう22日に会見する。阪神は長距離砲のスター選手獲得を待望しており、プロ入りを表明した場合に10月26日のドラフト会議で、1位指名する方針を21日までに固めた。史上最多の8球団競合を超える可能性もあるが、総力を挙げて希代のスラッガーどりに挑む。

 待ちに待った朗報が阪神に届く。早実・清宮がきょう22日に会見で自らの進路を表明する。プロ志望届を提出する意思を固めたことで、複数球団が1位指名に動くことが確実。ドラフト史上最多の8球団競合を超える可能性も十分にある。阪神はこの日までに清宮を1位指名する方針を固めた。過去最大の争奪戦に発展しても、不退転の決意で清宮指名を敢行する姿勢だ。

 過去2年のドラフトでは高山、大山といった大卒の大型野手を指名した。現在のチーム状況を考慮すれば、先発投手や二遊間を守れる内野手が補強ポイントに挙がっている。しかし高校通算111本塁打を誇る怪物スラッガーの存在は別次元だ。「清宮君は別格だ。指名しないという選択肢は、考えられない」と球団首脳は力を込めた。金本監督の就任以来、生え抜き野手の育成に重きを置いてきた。抜群のスター性のある清宮が指名できれば、黄金期を迎えた広島に匹敵する戦力が描ける。3年連続の野手1位指名は現実的になった。

 過去のドラフトでは清原和博、松井秀喜、中田翔といったアーチストの争奪戦に挑んできたが、抽選で敗れてきた。球団にとっても、高卒の大砲候補獲得は悲願とも言える。

 今年のセンバツには、坂井オーナーが直々に甲子園に足を運び、早実-明徳義塾を観戦。ドラフト候補を生でチェックするという異例の行動を取った。清宮は父克幸氏とともに、阪神ファンだという情報がある。甲子園を沸かせたスターは猛虎と縁がある。

 きょう22日のプロ表明を受けて、球団は何らかのコメントを出す可能性はある。1位指名の明言でラブコールを送るか。未来の猛虎にとっても、注目の1日になる。