京セラドーム大阪が騒然とした。ソフトバンク戦に2番手として登板したオリックスのドラフト5位ルーキー小林慶祐投手(24)が、打球直撃のためグラウンドから救急車で搬送されるアクシデントがあった。

 5回途中から先発山岡を救援し、2イニング目となった6回、先頭高谷の投手返しの打球が右まぶたの上付近を直撃。打球は右翼まで転がった。小林はマウンド付近で倒れ込み、福良監督やナイン、トレーナーが急行。出血も見られた。

 救急車をグラウンドに入れる異例の措置が取られ、救急車が姿を見せると、スタンドからは拍手。さらに“コバヤシ・コール”も起こった。15分間の中断後、3番手の沢田が登板し試合は再開された。

 小林は大阪市内の病院に搬送され、精密検査などを受けた。頭部CT検査の結果、脳に異常はなく、右まぶた上の打撲による裂傷と診断され、患部を8針縫った。その後京セラドームに戻った。患部は痛々しく腫れていたが、帰り際に小林は「異常がなくてよかったです」と話した。1日以降の動きは状態を見て決める。

 チームは小林降板後、5点差を追い上げ、8回に吉田正、マレーロらの活躍で逆転勝利。吉田正が「このままでは終われない雰囲気はありました」と言えば、マレーロも「小林が無事であることを祈っていた」と話した。福良監督も「全員があきらめないでやってくれたのでは」と選手の頑張りをたたえた。【高垣誠】

 ◆小林慶祐(こばやし・けいすけ)1992年(平4)11月2日生まれ、千葉・佐倉市出身。八千代松陰-東京情報大を経て入った日本生命で、15年日本選手権Vに貢献。翌16年ドラフト5位でオリックス入団。5月13日西武戦で初登板し、同31日ヤクルト戦でプロ初勝利。今季年俸は1000万円(推定)。187センチ、86キロ。右投げ右打ち。