おとこ気ローテOK! 右足腓骨(ひこつ)骨折からの復活を目指す阪神ランディ・メッセンジャー投手(36)が3日、甲子園室内での投手指名練習で約2カ月ぶりに1軍に合流した。DeNAとのCSファーストステージ初戦(14日)の先発に意欲を見せる右腕は、広島とのファイナルステージに進出した場合に中4日でも登板可能と豪語。下克上の日本一を狙うポストシーズンの軸は、この男になりそうだ。

 本当に帰ってきた。メッセンジャーが当たり前のように甲子園に戻ってきた。雨の影響からコンディション不良のために室内での投手指名練習となったが、明るい表情でキャッチボールやバント練習を実施した。すでに今季チーム最終戦となる6日中日戦(甲子園)の先発が内定。この日「グッドコンディション、問題なし!」と話したように万全の状態で向かう。

 8月10日巨人戦で右足に打球を受けて腓骨(ひこつ)を骨折。チームメートに「クライマックスシリーズまでに復帰して投球する。それまで待ってくれ!」と言い残し早期復帰を目指して米国で手術に踏み切った。8月下旬に再来日すると、9月27日のウエスタン・リーグ広島戦(甲子園)で実戦復帰。本当に骨折していたのかと思うほどの回復力だ。

 CSのキーマンになることは間違いない。メッセは自信たっぷりに言い切った。

 「投げるのが仕事だから、短い間隔だろうが何だろうが問題ない!」

 希望通りファーストステージ初戦の14日DeNA戦(甲子園)に先発すると、チームが勝ち進んだ場合、中4日でファイナルステージ広島戦(マツダスタジアム)の第2戦(19日)に登板できる。金本監督は「(メッセンジャーは)いつもやる気だから。どうやろうな。投げる体力がな」と中4日のCSフル回転に慎重だが、アンビリーバブルな復活劇を果たした男だ。やってくれそうな予感が漂う。

 2カ月ぶりの1軍舞台となる6日中日戦は特別な試合でもある。レギュラーシーズン最終試合と同時に虎一筋16年でタテジマにすべてをささげた安藤の引退試合。メッセンジャーにとっても、あと4イニングで7年連続の規定投球回に到達する重要な一戦だ。さあ下克上日本一へ。魂の男、メッセンジャーの今季第2幕が開幕する。【桝井聡】

 ▼メッセンジャーはポストシーズンで計6試合に登板。そのすべてで5回以上を投げて2失点以下に抑えている。14年のファーストステージは広島のエース前田に投げ勝ち、ファイナルステージも3戦目に5回2失点と試合をつくって終盤の逆転劇につなげた。同年の日本シリーズでは初戦に先発しスタンリッジに投げ勝った。1勝3敗で迎えた第5戦は8回途中1失点と奮闘も、打線が完封され涙をのんだ。短期決戦でも安定感抜群の投球は頼りになる。