東大が法大に連勝し、02年秋の立大戦以来の勝ち点を挙げた。法大からの勝ち点は93年秋以来で、同大から連勝での勝ち点は1928年(昭3)秋以来、89年ぶりの快挙。最下位も脱出し、エース宮台を軸に変革期を迎えた「新・東大野球」で旋風を巻き起こす。

 東大打線は2戦で計23安打を放った。改革と継続で、法大を打ち砕いた。

 就任5年目の浜田一志監督(53)は、約2年前から本格的な体力強化を開始した。「練習するにはエネルギーが必要」という考えのもと、(1)食事(2)ランニング(3)筋トレ(4)守備(5)打撃と優先順位をつけた。まずは、とにかく「食べること」に主眼を置いた。1日5000キロカロリーを摂取、米は1日1升食べることを目標とした。節約と栄養面を考え、冬場の1日練習では豚汁を自炊することもあった。

 体重の管理も徹底した。改革当初は、設定した目標体重に達している選手が約1割しかいなかったが、今では7~8割がクリアしている。ベンチプレス、スクワット、デッドリフトなど筋トレも数値化。体重とともに結果を張り出し、競い合った。スタメンには、2安打した1番の辻居はじめ2年生が4人並ぶ。1年間鍛えた下級生が戦力になり、層が厚くなった。

 力がつけば練習量もこなせる。月に数回、元中日でコーチを務める谷沢健一氏(70)に指導をあおいできた。4回に3ランを放った4番の田口耕蔵内野手(4年=西大和学園)は、ティー打撃を1000スイング付き合ってもらった。「勝ち点を経験したことがないので、できるのかという気持ちもあった。でも、意外と普通にできるんだと思った」。地道な歩みが自信となった。【和田美保】