2年ぶりの日本シリーズ進出を3日後に控えても、ソフトバンク工藤監督は冷静沈着だった。この日は午後からヤフオクドームでチーム練習を見守った。ドラフトの前日会議はキャンセルし、チーム練習に集中。「(DeNAは)印象的には打撃のチーム。(CSファイナルの)2試合見たけど、打線の力でカバーできるいいチームかなと思う」。3位から下克上でセCSを制した爆発力を警戒しつつ、パ覇者として「日本一」の称号を渡すつもりはない。「日本中の野球ファンが喜ぶ日本シリーズをやりたい」と笑顔で話した。

 横浜は因縁の地でもある。自宅は横浜市内にあり、横浜スタジアムまでは目と鼻の先。シリーズ期間中、ホークスの選手宿舎は東京都内。「本当は家から歩いて通いたいくらい」と笑わせた。6年前。DeNA初代監督の就任要請を受けた。「破談」となってしまったが、工藤監督自身、2度目のシリーズ進出でDeNAと対決するとは思ってもみなかったろう。「個人的にも横浜の町にはお世話になっているし、そこで(日本シリーズが)できるのも何かの縁と思う」。いよいよ2年ぶりの頂点に向け戦闘モードに入る。