0泊の弾丸ツアーで参上。今季のタイトル獲得者らを表彰する「NPB AWARDS 2017 supported by リポビタンD」が20日、東京都内で開かれ、パ・リーグ最優秀選手に選ばれたソフトバンクのデニス・サファテ投手(36)が、帰国先の米国から滞在約17時間の強行軍で授賞式に駆けつけた。

 

 長旅の疲れも見せず、サファテは明るいグレーのスーツをバッチリ着こなし会場に現れた。「MVPと正力賞をいただいた。チームのためにプレーしているのではなくて、NPBがないとこうして自分は野球をやっていられない。ファンのみなさんのためにもここに来るのが一番だと思った」と笑った。

 自宅のあるアリゾナから乗り継ぎも含め約16時間かけ、この日午前5時40分に羽田空港に着いた。都内のホテルにチェックインするとジムで筋力トレーニング。睡眠は機内で取り、時差ボケにならないように到着後は眠らなかった。「この2日間は飛行機に乗っている時間の方が地上にいる時間より長いよ」と笑った。表彰会場では工藤監督、千賀、柳田らチームメートと再会し、喜び合った。

 今季は66試合に登板。シーズン新記録となる54セーブを記録し優勝に貢献した。「今年は自分にとって本当に思い出に残る年になった」。外国人選手としては初めて正力賞も受賞。コミッショナーからも特別表彰を受けた。通常は1イニング限りの守護神だが、日本シリーズでは第6戦に来日初の3イニングを投げ、日本一を呼び込んだ。「4、5日肩がパンパンだったよ」。外国人投手のパMVPは91年郭泰源(西武)以来だが、日本シリーズMVPとダブル受賞だと64年のスタンカ(南海)以来。まさに伝説的な活躍となった。

 表彰式後、午後7時からのMVPの記者会見を終えたサファテは、宿泊することなく午後10時55分発の飛行機へ。満足感を手みやげに米国へと帰って行った。【石橋隆雄】