昨季新人王の右腕が、開幕投手争いに名乗りを上げた。日本ハムの高梨裕稔投手(26)が10日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設でキャッチボールや遠投などで調整。今月中のブルペン入りを視野に入れ、投球動作を確認するなどした。

 昨季は10勝2敗でリーグ制覇に貢献したが、今季は7勝7敗の勝率5割。チームも5位に転落し「まんまとジンクスにはまりましたね」と、タイトル翌年の不振を悔しがった。日本一と引き替えに始動が遅れ、開幕スタートにつまずいたのが一因で、その点「今年は時間がたっぷりある」とオフ期間も練習に励む。

 エース大谷が米球界へと旅立ち、来季投手陣の再構築は必至だ。「自分が柱になるくらいの気持ちでやらないと、チームの上昇もない。今季開幕投手の有原を脅かす存在に」と、入団5年目で初の大役を虎視眈々(たんたん)と狙う。

 この日は朝から、エンゼルス入りが決まった大谷の入団会見の報道で持ちきり。テレビで見たという高梨は「メジャーは今まで見たことがなかったんですけど、来年からはたくさん見たい。興味があるし、楽しみ」。米国へ新天地を求めた元エースの姿を発奮材料に、飛躍を遂げる。【中島宙恵】