西武は13年以来、4年ぶりにAクラスに入った。就任1年目の辻監督は、開幕戦でドラフト3位ルーキーの源田を「9番遊撃」に据えるなど積極的に若手を起用した。左腕菊池は最多勝と防御率の2冠。投球回数はリーグ最多の187回2/3。今季のパ・リーグで一番投げて、一番勝って、一番抑えたのが菊池だった。担当記者の印象に残った言葉とは…。

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▽辻監督「数多く心の中で握手して、いい報告がしたい。我々は前を向いて戦っていくだけ。全員が慎二とともに優勝を目指して頑張ります」(7月4日に営まれた森慎二投手コーチの告別式。急逝後のベンチには同コーチのユニホームが掲げられた。優勝での供養はかなわなかったが、チーム関係者全員がそれぞれの思いを胸に戦い抜いたシーズンだった=佐竹実)

 

▽菊池「フォームというのは日々進化していくもの。ただ『戻せばいい』というのは難しい」(8月28日。シーズン途中の2段モーション指摘に苦しみ、4月の投球フォームに戻すのかという問いに対して。もっと良くなりたい、という思いで毎日練習していることが伝わる言葉だった=鎌田良美)

 

▽菊池「投げる前から絶対完投すると決めていた。『あのフォームだったから(勝てていた)』と言われるのは嫌だった。絶対勝ちたかった」(8月31日楽天戦。2段モーション問題後、新フォームで臨んだ初めての試合で完投勝利。意地の129球で騒動を封じ込めた=佐竹実)

 

▽渡辺「ライオンズで死のうと思っていた。常勝チームの苦しい時期を、どう支えられるか。そこで自分の力を出し切ることは出来たと思う。悔いはない。楽しかった」(10月6日の戦力外通告を正面から受け止めた姿が、この男らしかった。来季はプロの第1歩を踏み出した楽天を全力で支える=佐竹実)

 

▽松井「もう1度、小さい花でもいいので咲かせたい」(11月17日の入団会見。楽天を退団し15年ぶりに古巣に復帰。退路を断って現役続行を選んだ男の闘志と覚悟がにじんだ=佐竹実)