4番に“助っ人特権”なし!? 阪神片岡篤史ヘッド兼打撃コーチ(48)が24日、新外国人ウィリン・ロサリオ内野手(28=韓国・ハンファ)に、春季キャンプで若手と同じメニューを課す方針を明かした。韓国で昨年まで2年連続3割30発100打点をマークした実績ある大砲で、福留や鳥谷、糸井らと同じマイペース調整を許されてもおかしくない。だが首脳陣は近年期待外れな助っ人陣の教訓も生かし、早く日本野球になじませる作戦に出る。

 コーチ会議を終えた片岡コーチから、意外な言葉が飛び出した。ロサリオの1軍キャンプ発進が正式決定。片岡コーチは4番助っ人候補に若手と同じメニューを課すプランを明かした。

 「基本的には全体と一緒のメニュー。年齢的にも(28歳)と若いし、早く日本のチームメートの雰囲気とか、コミュニケーションを取ってもらって、チームに慣れていってもらいたい」

 ベテランで主力の福留、糸井、鳥谷らは別メニューでじっくり調整が許されている。韓国で2年連続3割30発100打点と実績ある助っ人も同等か、それ以上の待遇かと思われた。だがロサリオは、若手と一緒に汗を流す。一塁守備、フリー打撃…。外国人はランチ特打後、マイペース調整が許されることも多い。だが、異国でのプレーには配慮しつつ、全面的な“助っ人特権”は与えない方向だ。

 鬼指令? そこには日本野球に、チームに早く溶け込んでもらいたい「親心」があった。阪神は近年、ヘイグやキャンベルら助っ人野手陣が力を発揮できずに退団した。最初のキャンプでつまずき、日本野球になじめなかったことも要因の一つだろう。ノーモア、期待外れ助っ人。ロサリオはこれまで以上にチームの浮沈を握る存在だけに、金本監督らの思い入れは強い。

 若手並みとなれば、2月7日の初紅白出場も現実的だ。出場すれば近年の新外国人では最も早い来日初実戦となる。金本監督も「投内連係もあるし、日本の投手に少しでも早く慣れるに越したことはない」と期待。「結構、太っている。絞らないといけない」と100キロ超の体重管理も行う。

あの手この手で、ロサリオの成功を導く。【真柴健】