「名手宮本」が復活した。2日、ヤクルトの春季キャンプの早出特守を見守っていた宮本慎也ヘッドコーチ(47)が、遊撃手の西浦とドラフト6位宮本丈内野手(22=奈良学園大)の前へ。腰をスッと落としてグラブを構え、無駄のないステップでゴロをさばいた。その後も、土橋内野守備走塁コーチらとともに指導を続けた。「10球くらいで俺がキャンプ離脱しちゃうよ」と冗談めかしつつ「(見せて)教えた方がイメージがつくれるかな」と実演指導の理由を説明。午後には奥村にも助言を送った。

 遊撃手はヤクルトの“悩みどころ”だ。昨季は遊撃手スタメンを大引、西浦、奥村、広岡、谷内が張った。最多は75試合の大引だが、この日は下半身のコンディション不良で離脱し、別メニューで調整。次世代の遊撃手の育成は急務だけに、現役時代にゴールデングラブ賞10回受賞(遊撃手で6回)の宮本ヘッドコーチは最高のお手本になる。

 名手の情熱に応えようと若手も必死だった。西浦は体が一塁方向に突っ込むことで送球が弱くなる点などを指摘され修正に励んだ。「2代目 ショート宮本」襲名を目指す宮本は「1軍にいたから教えてもらえたのでずっといたい。毎日教えてほしい」と、向上心をたぎらせた。初日の約10時間に続き、2日目は約11時間の猛練習。ヤクルトの変革キャンプが日々、熱気を増す。【浜本卓也】