【スコッツデール(米アリゾナ州)2日(日本時間3日)=木下大輔、中島宙恵】日本ハムのドラフト1位、清宮幸太郎内野手(18=早実)は、キャンプ2日目も、金子誠内野守備コーチ(42)と守備練習に明け暮れた。右手親指の骨挫傷の影響で打撃練習は4日連続回避も、たった1日でスローイングを改善。ノックでは、本職の一塁だけでなく三塁にも入るなど、守備で進化を見せている。

 練習前の全体アップ後、必ず行われるキャッチボールで、初々しい背番号21が早くも変化を見せた。上体の力に頼り、担ぎ投げのようになっていた送球が、この日は何だか様になっている。簡単に言えば、プロっぽい。「すごく感じは良かった。ボールの重みを感じるようになった。軽い力でも、球が行くようになった感じがある」。劇的な変化に、思わず声が弾んだ。

 前日のキャンプイン初日から始まった金子コーチとマンツーマンでの特別メニューは、2日目を迎えた。キャッチボールの様子を横、真後ろからビデオ撮影し、フォームをチェック。たった1日で柔らかくなった腕の振りに、思わず金子コーチも「よく、ここまで変化できた。ボールの質も変わったね」と、18歳の進化に目を細めた。

 この日は本職の一塁守備にとどまらず、内野用グラブを手に三塁にも挑戦した。緩いゴロの捕球を、高卒3年目の平沼、同4年目の太田ら、若い内野手と一緒に受けるのが狙いで「2人の足跡をたどらせることで、ゴロの追い方、足の運び方を学べるように。このキャンプ中、捕って投げるところまで行ければいいかなと思っている」と、金子コーチ。焦らず、基礎をたたき込むつもりだ。

 もともと、指先が強く、ボールに力が伝わりやすいタイプという。それだけに、大きなテークバックから腕の力にまかせて投げていたこれまでの投法では、後々、肩や肘を痛める可能性があった。そのため、前日とこの日の2日間はノックでも送球を制限していたが「今日の投げ方なら、負担のない投げ方になっていたし、もう少し送球も行けた」(金子コーチ)と、制限解除も見えてきた。

 バットは握れない。でも、内野手としての土台作りは着々と進んでいる。