青木の復帰戦で沸いたポカポカ陽気の沖縄・浦添市民球場で、ヤクルト山田哲人内野手(25)が特大の先制2ランをたたき込んだ。1回1死一塁から、138キロの直球を中堅左に運んだ。10日の紅白戦に続き、早くも今季“2号”。「去年はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)があって早く仕上げなくてはいけなかったけど、今年の方が仕上がりが早い。いいスイングができた結果がホームランになった」と納得の表情だった。

 昨年は3年連続のトリプルスリーを逃し、打率2割4分7厘に終わった。「今年は、やるという気持ち。過去一番強い意志を持ってやってます」と言った。試合前には、視察した侍ジャパンの稲葉監督から、20年の東京オリンピック(五輪)で中心的な活躍を期待する言葉を掛けられた。稲葉監督は「ぜひ、そこを目指して、出たいですと言ってくれた」と、山田哲の気持ちを大歓迎した。

 山田哲はキャンプインから連日の打ち込みで例年以上のスイング量をこなしてきた。下半身の動きには納得しながら「上半身。トップの位置。腕の使い方がもう少し」と課題を挙げる。

 「完璧を求めている。野球は確率のスポーツ。たまたまホームランになるんじゃなくて、確率を上げたい。自分で上限を決めたくないので今は何割とか分かりません。上を目指したい」

 限界は定めず、理想の打撃を追い求める覚悟を繰り返した。【前田祐輔】