正捕手争いは終わらせない! 阪神坂本誠志郎捕手(24)が18年実戦初アーチを懸け、梅野とのレギュラー捕手争いで盛り返した。3回無死、ソフトバンク武田の高め143キロ直球を強く振り抜く。ゆっくりと弧を描いた飛球は、狙ったかのようにギリギリで左翼フェンスをオーバー。意外性を印象づけた。

 「なかなか結果が出ていなかったので、結果が出て良かったです」。試合前の時点で、宜野座キャンプから実戦7試合出場で12打数1安打、打率0割8分3厘。湿りがちだったバットで久々に快音を響かせ、ホッとしないわけがない。ただ、守っては先発能見が調整登板とはいえ3回6失点と炎上。女房役として「打てるに越したことはないけど、打つより大事なことがある。そういうところをもっとできるようにならないと、競争に残っていけない」と気を引き締めた。

 プロ2年間で通算3本塁打。6回2死一、二塁で二飛に倒れたこともあり、最後まで浮かれる様子は一切なかった。「自分はホームランを打てる打者ではない。もう1回、足もとを見つめ直して…。その後の打席も良くなかった。1打席1打席、大事にやっていきたい」。正捕手争いで梅野に1歩リードを許している状況。地に足をつけて、巻き返しを狙う。【佐井陽介】