開幕1軍を狙うソフトバンク田中正義投手(23)が5日、若田部投手コーチから「暴れろ指令」を受けた。前日4日の阪神戦でオープン戦に初登板。プロ初の本拠地ヤフオクドームのマウンドで2回を2安打無失点と結果を残したが、首脳陣の評価は違っていた。

 若田部投手コーチは「球を置きにいっている」と指摘。続けて「100%の力を出して、ストライクが入らない、打たれるとなればまた課題も見つかる。だが、置きにいって抑えても判断に困る。もっと腕を振っていってほしい。期待値が大きいのだから」とスケールの大きい投球を求めた。2年目の田中は現在1軍に残っており、結果を最優先したくなるところだが、首脳陣は小さくまとまることを望んでいない。早ければ明日7日の西武戦で登板のチャンスを与え、再び投球をチェックする方針だ。

 この日、田中はヤフオクドームの全体練習で投内連係など苦手分野を練習。送球が緩くなるなど、苦戦しながらも公式戦の1軍デビューへ向けた準備を重ねた。「僕は考え込むタイプなので。やってきたことを出すだけ。とにかく1軍にいないといけないので」と首脳陣の考えを理解しつつ、結果を残し続けなければいけない立場は変わらないと感じている。

 4日の阪神戦の最速は149キロだった。球速だけが物差しではないが、創価大時代の最速156キロを期待されるのも事実。昨年苦しんだ右肩痛も克服した。オープン戦中に田中がどのように進化するのか。楽しみだ。【石橋隆雄】