三塁ボディーを作り上げろ!阪神大山悠輔内野手(23)が、金本監督から増量指令を受けた。二塁、遊撃に挑戦していたオフに体脂肪5%減を目指した結果、当時から体重が4キロ前後落ちてしまっているという。結局は今季も三塁固定の方針が固まっており、指揮官は二遊間を守る想定の体より重たくすることにGOサイン。ホットコーナーを1年間守り抜ける迫力ボディーを完成させ、持ち味の長打力に磨きをかける。

 スケールの大きい、球界を代表するスラッガーに成長してほしい。金本監督は切なる願いを胸に、大山へ厳しい指令を出した。開幕直前にもかかわらず、あえて増量を要求。「サードになったし、もっと体重を増やせ」。そう指示していることを明かした。

 「4キロくらい減ったんよ」。指揮官は苦笑いしながら、大山の体重について説明を始めた。「今は82キロ。オフの時は86キロだったのかな。体脂肪18%で太りやすいはずなんやけどな」。長打力が売りの大型三塁手。だからこそ、さらに力強い肉体を作り上げる必要がある、というわけだ。

 大山は昨秋キャンプから二塁、遊撃挑戦をスタートさせ、そのタイミングの前後で指揮官から体脂肪率5%減を指令されていた。当時は体重86、7キロで体脂肪率18%。「体重は今のままで体脂肪を5%ぐらい落として、筋肉に変えたらちょうどいいんじゃないかな。スピードも上がってくると思う」。よりスピード感が求められる二遊間ボディーへの変貌を求めたが、あのころとは状況が違う。

 沖縄キャンプ中の2月序盤に今季の三塁固定が決定。体脂肪率減を目指した結果、疲労も重なって減ってしまった体重を、もう1度取り戻さなければならない。金本監督は「動ければいい」と、細かい制限はつけない方針。一般的にはシーズンが始まると徐々に体重は減少していくイメージが強いが、大山には真逆の曲線を期待する。

 すでに開幕三塁のスタメンが決定的。ただ、オープン戦では打率2割9厘、0本塁打と、持ち前の迫力がやや影を潜めている印象もある。アーチストならではの、大飛球を描けるスラッガーへ。虎の背番号3が、高いハードルを貪欲に乗り越えていく。