連続日本一へ、ソフトバンク打線が上げ潮だ。4点を追う苦しい展開だったが、7回に松田宣浩内野手(34)が2日連続逆転弾となる3ランを放つなど5得点。昨季のセ・リーグ王者に連勝した。武田翔太投手(24)が丸に満塁被弾するなど先発陣は依然ピリッとせず、右腕の張りを訴えた開幕投手、千賀滉大(25)の今後も不安だが、低空飛行だった打線の活性化は心強い朗報。投手陣が復調するまで打線がカバーする勢いだ。

 好調の打線がつながっての逆転勝利だったが、投手陣に話題が及ぶと工藤監督の表情が曇った。「対照的ですよね。言わなくてもわかります」と唇をかんだ。

 開幕カードのオリックス3連戦で先発が予想される武田が、ピリっとしなかった。初回から毎回走者を背負う苦しい投球。3回には2四球と安打で2死満塁のピンチを招き、丸に甘く入ったスライダーを右翼席に運ばれた。ベンチで打球の行方を見守った工藤監督も、眉をひそめて不満をあらわにした。

 前日23日には、開幕投手が内定している千賀が3回で緊急降板。右腕の張りを訴えるアクシデントが発生した。一夜明けたこの日はグラウンドに現れ、練習に参加したがノースロー。工藤監督は「張りはまだ残っていますけど、故障とかがあるわけではないので。張りが取れれば大丈夫と思います」と軽傷を強調。予定通り、開幕戦へ向かわせる方針を再確認したが、不安は完全にぬぐい切れない。

 武田、千賀だけではなく、開幕ローテを明言されている東浜、バンデンハークもいまひとつの投球が続いている。これまで工藤監督は先発陣に「本人に任せている」と信頼して調整を一任してきた。だが「残りそんなにないんですけど、何か手を打たなきゃいけない。最初からメンバーを替えて、とかは考えてない。今投げているメンバーに、しっかり調整してもらうように動こうかなと思っている」と、監督自ら調整の方針を示す意志を明かした。

 武田自身も「今できることをしっかりやっていく。焦ることはないですし、やるべきことをしっかりやるだけです」と前を向いた。少しでも不安を解消して、5日後の開幕を迎えたい。【山本大地】