高卒4年目の日本ハム清水優心捕手(21)が、昨季開幕戦の雪辱に燃える。29日の全体練習後には「今日は寝られるかな…。いや、何かしら寝られることをして、寝る!」と、早くもそわそわ。「チームの信頼を得られるよう、投手1人1人を必死にリードしたい」と意気込んだ。

 20歳だった1年前の開幕戦、9回表の守備から途中出場も、西武浅村に痛烈な1発を許した。「思っていることが、すぐ顔や態度に出てしまう。メンタルが弱いんですよね」。ハタチの春は、苦い思いだけが残った。

 今年は練習試合やオープン戦で、敵味方問わず、つぶさに捕手の表情や態度を観察し、女房役の心得を学んだ。「投手の人生が懸かっている。僕がウジウジしていたらダメ。メンタルは自分次第なんだと気が付いた」。ポジティブ思考を心がけ、守備と打撃で気持ちの切り替えができるようになってきた。

 正捕手だった大野が中日へFA移籍し、初の開幕スタメンがぐっと近づいた。オープン戦ではチーム最多の10試合で先発マスクを被り、打率は3割4分5厘。8割近い長打率を残し“打てる捕手”の才能を開花させつつある。それでも、「開幕には残ったけど、ここから長い戦いが始まる」と油断はない。

 くしくも、開幕戦は1年前と同じ西武が相手。「性格は変えられる。変わった自分を見せられたら」。今年の春は、満開の笑顔で迎えてみせる。【中島宙恵】