プロ野球中日で活躍した藤波行雄氏(66)が、静岡県学生野球リーグの常葉大浜松の総監督に就任することが30日、分かった。藤波氏は「静岡の出身で、ご縁もあり、県大学リーグのお役に立ちたいと思っています」と話している。永井浩二監督(46)は留任。藤波氏は公式戦のベンチには入らず、週に2、3日、主に打撃と外野手の指導にあたるという。

 藤波氏は、静岡商で1学年下の新浦寿夫氏(66)らと68年夏の甲子園で準優勝。中大を経て、73年にドラフト1位で中日に入団。巧打の外野手として人気を博した。87年の引退後は評論家、独立リーグなどで指導者を歴任。15年11月から新浦氏と静岡商の外部コーチを務めたが、17年秋から指導を離れていた。

 常葉大浜松は、前身の浜松大時代に隆盛を誇ったが、15年春に6度目の優勝を飾って以来、日大国際関係や静岡大などに後れを取り、昨秋もリーグ4位に終わっている。その現状を打破すべく、大学関係者は「技術指導を含め、プロで培った経験を還元してくれれば。コーチ経験も豊かですし、静岡の大学のために力を貸して欲しいです」と、藤波氏に期待している。

 ◆藤波行雄(ふじなみ・ゆきお)1951年(昭26)4月26日、静岡市生まれ。静岡商で68年夏の甲子園準優勝。中大では東都大学リーグ通算最多の133安打。73年ドラフト1位で中日に入団し、74年に新人王。87年に現役引退。評論家、独立リーグ三重の監督代行、朝日大(岐阜)臨時コーチなどを務めた。